わくわく大人インタビュー

糸井登先生   

糸井登先生

京都府宇治市立菟道第二小学校教諭/

教育貢献活動推進協議会(CE協議会)理事

NPO法人 「子どもとアーティストの出会い」理事

 

 

糸井先生は、さまざまな人とつながりをもたれたことで、企業やアーティスト、NPO等と協力することが可能となり、そこから、新しい授業実践や教材開発などを行っておられます。私たちは、そんなすてきな「先生」に出会ってきました。お話を聞かせていただき、糸井先生は、「人とのつながり」を非常に大切にされているのだなと感じました。

 

では、さっそく、インタビュー内容をお伝えしたいと思います。

 

 

 

Q1 なぜ、糸井先生は小学校の先生になろうと思われたのですか?

  

A  わたしは、小学校の先生に対して、特に強い思いはなかったで

   す。本当は、中学校の先生になりたくて、なぜかというと、部

   活の顧問をしたい、という不純な動機からでした。初めて、本

   当に小学校の先生 になってみたいと感じたのが、教育実習へ行

   ってからでした。ですので、大学時代、勉強という勉強はした

   ことがなかったです。

 

Q2   私たち「くれよん」の原動力は、「わくわく」なのです

  が、先生が「わくわくされていること、また、先生の

   動力、夢はなんですか?

 

A    授業をするにあたって、自分ひとりだと、なかなか思い通りに進まないことが多いのです。たとえば、子供たちが曲を作りたいと思っています。でも、自分ではどうすることもできません。その時に、自分がつながりのある音楽家の人に、授業へ来ていただくと、子どもたちと曲を作ることができます。しかし、このような授業は、学校側に話を通しても、面倒だから・・・といって受け入れられにくいのです。そのような理由から、このような授業は、なかなか広まらないのです。なので、あと10年で、次の世代の人に、このような授業を広めて、つないでいくこと。さらに、その基盤づくりをしていくことが、私の原動力であり、夢です。 

 

 

Q3 では、先ほどお話に出ました、人と「つながり」を作るためには、どうしたらよろしいのでしょうか?

 

A  最初は、研究会などの、熱心な方が集まるところに積極的

  に出向きました。そして、そのような場で、熱心な方とつ

  ながりました。私は、その時、学生として参加されてい

  た、ある方とつながったことで、その方から、別の方を

  紹介していただき、さらに別の方へ、そして、また紹介

  していただき、さらに別の方へ、というように、たくさ

  んの方々とつながっていきました。教師同士が話してい

  ても、情報は、似たり寄ったりで、何かしようとして

  も、そこから先へは、あまり発展しません。その先に得

  ることができるものはしれているのです。

    

 

Q4  先生は、なぜ、学校外から、講師の方を招いて授業をする

  ような活動を始められたのですか?

 

A   私は、授業するにあたって、一番、社会が好きなんです。  

 なぜかというと、社会科が一番、教科書にとらわれな

 いからです。昔、有田和正先生は、社会科のことを、「材   

 料七分・腕三分」とおっしゃいました。つまり、社会科は、 

 ネタさえしっかりしていると、少しぐらい教えることが下 

 手でも大丈夫ということです。

 

 五年生の社会科の教科書に、自動車工場の見学のページが  

 あって、その中に、ソーラーカーや電気自動車に関する紹 

 介があるんです。その話を、学年の先生としていた時、そ

 の先生が冗談半分に、「子供たちに電気自動車って見せる 

 ことはできないの?」と言ったんです。

 でも、見せることができたらおもしろいと思って、まず、 

 ホンダに電話したんです。すると、電気自動車は、一般道

 を走れないから、東京から学校まで運搬するための、運搬 

 費を出してくれるならいいですよっていってもらえ

 て・・・。

 そこで、可能性があるってことがわかって。だから、いろ 

 いろなところに連絡を取ったんです。すると、情報を持っ

 ている人はいるんです。それは、学校から車で30分もか 

 からないところに、関西電力の電気自動車が1台あるって

 ことでした。で、そこの担当者の人と連絡を取って、持っ

 てきてもらえることになりました。そしたら、実物は、ほ

 んとにすごくて!

 

 何がすごいかというと、まず、形は今走っている車と全く 

 一緒で、見分けが全くつかないんです。さらに、音がしな 

 いんです。実物を見ないとわからない!

 関西電力のその担当者の人とは、ずっとつながっていて、 

 毎年、車を持ってきてくれたり・・・。

 

 さらには、せっかく関西電力の人と仲良くなったんだから 

 ということで、数年前に、エコの授業の時にも手伝っても

 らったんです。電気って、どこからきているか、子どもた

 ちにはあまりイメージがわかない。だから、関西電力の人 

 と千葉大学の生徒にも手伝ってもらって、電気はどこから

 来るのかというのを、学校のコンセントを始まりとして、

 ロケをしたんです。途中、山奥に行ったり・・・。そし

 て、要所要所を映像に撮って、子どもたちに見せる。する

 と、子どもたちは、電気の大切さを心に刻むんです。

 

 

Q5  学校のカリキュラムとして、先生の授業は、どう関わっているのでしょうか?

 

A 当初は、総合的学習の時間に、すべて入れれば何とかなるという時代だったんですが、今はそうはいかなくて、いろいろな教科とミックスさせながら、やっています。教科と組み合わせる中で、カリキュラムを作っています。もちろん、総合的学習の時間としてすることもあります。

 

 

Q6 将来、教師になる人に向けてメッセージをお願いします。

 

A    「ちっちゃくまとまるなんてつまらない」

 

   初任者研修では、素敵な教師になるための研修をするんですけれども、下手をすると、その人の「個性」を切り取っていくことになるかもしれない。みんながみんな同じになってしまうかもしれない。ちっちゃくまとまるのではなくて、いつも何かやりたいことを、追っている。そんな気持ちを持っていてほしいなと思います。

 

 

 

<感想>

私たちは、糸井先生にインタビューさせていただき、とても「わくわく」するお話を聞かせていただきました。あっという間に2時間がすぎ、とても有意義な時間を過ごすことができました。

私たちは、今、教師のたまごです。そんな私たちの心に、糸井先生の「ちっちゃくまとまるなんてつまらない」という言葉が、非常に響きました。そこで、糸井先生は、1か月に最低10冊は本を読むとおっしゃっていましたが、私たちは、まず、1か月に1冊本を読むという目標を立てます。そして、会社の社長や教師などの講演会を聴きに行くことをしたいと思います。また、くれよんの活動を通して、将来、常に「自分の色」を持っている教師、つまり、「ちっちゃくまとまらない教師」になるように、がんばっていきたいと思います。最後に、糸井先生のお話を聞かせていただいて、「人とのつながり」を大切にし、その人から「学ぶ」ことは、自分の視野を広げるいい機会であると感じました。糸井先生が、本当に、大切にされている「人とのつながり」を、私たちも、本当に大切にして、これからの日々を生活していきたいです。

 

糸井先生ありがとうございました。

 

(川野・吉留)